最終更新日: 2024-11-25
本記事では、歯科矯正のデメリットについてお話ししています。
メリットだけでなく、デメリットを知ることで矯正治療への理解を深め、ストレスの少ない治療生活を送れるはずです。
歯の矯正では、キレイな歯並びが手に入りお顔の印象まで明るくなるといったメリットばかりがフォーカスされがちですが、もちろんデメリットも存在します。
「こんなこと知らなかった!」という事態にならないためにも、今回は矯正治療におけるデメリットとその対処法についてご紹介します。
他のすべての治療と同じ様に、歯並びを美しくしていく歯科矯正もいくつかデメリットがあるので対処法と一緒にご説明します。
保険が適応される虫歯治療と違い、歯科矯正は殆どの場合自費診療になります。そのため、高額な治療費がかかってしまうのが大きなデメリットと言えるでしょう。
一般的な治療法の表側のワイヤー矯正やインビザラインなどは全顎で80万円ほど、裏側矯正になると100万円近くの費用がかかります。
金銭的な面から矯正治療に踏み切れないという方も少なくありません。
最近では、高額な治療費をデンタルローンや院内分割支払いなどで、負担の少ない支払い方にする方法が増えてきています。
デンタルローンでは、多少の手数料がかかることもありますが24回払いなど回数が多く設定できるのが魅力です。また、院内分割であれば決まった回数まで手数料なしなど配慮された医院もあります。
費用と並んでデメリットの一つに挙げられるのが矯正中の「見た目」の問題です。
特に表側のワイヤー矯正は、矯正器具であるブラケットとワイヤーが見えやすいことから、社会人になってからの矯正では敬遠されがちな方法です。
透明なマウスピースを使った「インビザライン」や歯の裏側にワイヤーをつける「裏側矯正」がおすすめです。
矯正器具が目立たず人にバレにくいので社会人の方からも人気の高い矯正方法です。
ただし、マウスピース矯正は通常の表側矯正よりも適応できるケースが少ないです。
矯正は歯科治療の中で最も治療期間が長い治療法です。全顎を矯正する場合は、最低でも2年以上かかるということを理解しておきましょう。
その理由は、矯正では1ヶ月で1ミリ程度とゆっくりした速度で歯を動かしていく必要があるからです。
治療期間を短くしようと必要以上に力をかけると、歯ぐきが下がったり歯が抜けてしまう原因になったり、歯の神経に問題が起こる可能性があります。
矯正治療を最短で終わらせる一番の近道は、計画を守って治療を進めることです。
毎月の調整日に忘れず通う、マウスピース矯正なら1日の装着時間を厳守するなど、基本的なルールをしっかり守ることで治療期間を伸ばさずに終了できます。
どうしても矯正治療を短い期間で終わらせたいという方には、数ヶ月〜1年ほどと短い期間で治療が終了する「部分矯正」がおすすめです。
しかし、部分矯正を適応する場合は、抜歯が必要ないくらいの歯並びであることなど条件があるので、歯科医院で相談してください。
歯に専用の装置(ブラケット)をつけるワイヤー矯正では、常に矯正器具が歯についた状態になるので、歯磨きが大変です。特に食後はブラケットの周りに食べかすが溜まりやすく、普通に歯磨きをしても取りきれないことがほとんどです。
矯正中は、普段よりも歯磨きに力を入れタフトブラシや歯間ブラシを使ってみましょう。
ワイヤー矯正はとにかく歯磨きに慣れることが重要です!
一度歯科医院で歯磨き指導を受けて、どのように歯磨きをしたらいいか頭に入れておきましょう。また歯ブラシだけでなく、タフトブラシなど補助清掃用具も使うようにしてください。
歯磨きが苦手な方は、取り外しが可能な「マウスピース矯正」がおすすめです。
矯正治療が始まったばかりの頃は特に、矯正器具に違和感を感じる方が多いです。
特にワイヤー矯正では、尖った部分がほっぺや歯ぐきにあたって口内炎ができてしまうことも。
裏側矯正では、歯の裏側に矯正器具が付いているので発音がしにくくなり、話す際に違和感を感じる方も多いです。
殆どの場合、矯正器具による違和感は時間が経つと慣れて気にならなくなるので、あまり心配はいりません。
特にインビザライン矯正は、表面が滑らかなマウスピースを装着するので、ワイヤー矯正よりもお口の中の違和感を感じにくい傾向にあります。
矯正治療を行う際、歯が並ぶスペースがない、親知らずが生えているなどの場合には抜歯が必要になることがあります。
特に日本人は顎が小さく歯が並ぶスペースがないために、矯正を行う人の8割は抜歯が必要だという先生もいます。健康な歯を抜くのに抵抗がありますが、歯がキレイに並ぶためと理解しましょう。
残念ながら歯が並ぶスペースがない場合は抜歯することになります。
抜歯が必要なケースで抜歯をしないと、矯正の失敗につながる可能性があります。
最近では抜歯をできるだけしない「非抜歯矯正」をおこなう歯科医院も増えていますが、その際には歯の両側を少量削る”ディスキング”などを行いスペースを確保していきます。
安全に何の問題もなく治療が完了するのが理想ですが、中にはトラブルを起こしてしまう場合もあります。
歯の矯正後に起こりやすいものが「歯の後戻り」です。
これは、キレイに並んだ歯が元の位置に戻ろうとして再び動いてしまう現象です。
矯正は、歯に力を加えることで歯を支えている骨を破壊・再生しながら動かしていきます。
再生された骨がしっかりと固まるまでには最低でも1年以上の時間が必要です。そのため、矯正が終わったばかりの骨は不安定で歯の後戻りを起こしやすい状態と言えます。
最も重要なのは保定期間をとることです。
保定期間とは並べた歯並びを維持するための期間で、保定装置(リテーナー)をつけて過ごします。
リテーナーにはワイヤーを使ったものやマウスピースタイプのものがあります。
矯正中は矯正器具がお口の中にあることで汚れが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病の原因になりやすくなります。
特にワイヤー矯正ではブラケットの周りに食べカスなどの汚れが溜まりやすいので、丁寧な歯磨きが必要です。
インビザラインではマウスピース装着中、唾液の自浄作用が届きにくいので汚れが溜まっていると虫歯ができやすくなってしまいます。
矯正中に虫歯や歯周病にならないためには、正しい歯磨きが重要になります。矯正治療中は基本的に毎食後しっかりと歯磨きをするようにしましょう。
歯磨きの際には歯ブラシだけでなく、タフトブラシや歯間ブラシ、フロスなども一緒に使うようにしてください。
特にワイヤー矯正で起こりやすいトラブルです。ワイヤーやブラケットの尖った部分が歯ぐきやほっぺにあたり口内炎になってしまいます。
器具があたる部分があると、何度も口内炎を繰り返してストレスに感じますので、歯科医院に相談して対処してもらうようにしましょう。
矯正器具が当たる部分には、歯科矯正用のワックスをつけることで口内炎を防ぐことができます。ワックスは歯科医院でもらえますので相談してみてください。
もし口内炎ができた場合は、歯科医院で軟膏をもらい口腔内を清潔に保つようにしましょう。
歯肉退縮とは、歯ぐきが下がってしまう現象です。矯正により過剰な強い力が加わると起こりやすいトラブルで特に下の前歯部分に起こりやすいです。
歯肉退縮が起こってしまうと、歯が長く伸びたように見えてしまう審美的なデメリットと、知覚過敏を起こしやすくなるといった機能的なデメリットが起こります。
基本的に歯肉退縮の原因は歯を動かす時に過剰な力をかけてしまっていることなので、歯科医師の治療の具合によっても変わってきます。
ご自身では、硬い歯ブラシを使用しないなど歯ぐきを傷つけないようにしましょう。
ここまで歯科矯正のデメリットばかりをお話ししてきましたが、それ以上にメリットがあります。
矯正治療の1番のメリットは「美しい見た目が手に入る」ことです。凸凹だった歯並びがキレイになることでお口元のコンプレックスも解消され、笑顔にも自信がつくようになります。
歯並びだけでなく、口元の歪みなども改善されるのでお顔の印象まで美しく変わったという人が多くいらっしゃいます。
矯正を始める方で歯並びがガタガタだから人前で笑えない、写真にうつりたくないという心理的なコンプレックをお持ちの方も多くいらっしゃいます。
矯正治療を行うことで、コンプレックスが解消され「笑うのが好きになった」といった声がたくさん上がっています。
歯科矯正は見た目だけでなく気持ちの面でも明るくなれる治療法です。
矯正治療では、美しい見た目になる以外にも噛み合わせを改善するといったメリットがあります。咀嚼機能が改善されることにより、美味しくご飯を食べられるようになり、顎への負担も減り顎関節症などのトラブルを予防することができます。
矯正治療により、歯並びを整えることは歯の寿命を伸ばすことにもつながります。
歯並びが悪いと歯磨きをしても汚れが溜まりやすく、歯並びがキレイな人に比べて虫歯や歯周病にかかるリスクが高くなってしまいます。そのため将来的に歯を失ってしまうリスクも高いのです。
いつまでも健康な歯を残していくためには、キレイな歯並びが必須なのです。
矯正治療は長期間に渡ることが多いため、歯科医院選びが非常に重要です。
特に、矯正を行う際にはもちろんメリットがある反面、様々なデメリットも存在します。
しっかりとその両者を説明してもらえる、納得、信頼のできる歯科医院を探すことおすすめ致します。
歯並びをキレイに並べてる歯科矯正では、メリットだけでなくデメリットもあります。
大きなデメリットで言うと高額な治療費と治療完了までに長い時間がかかること、そして矯正器具が目立ってしまうことが挙げられます。
しかし、最近では治療費の分割払いが当たり前になってきたこと、目立ちにくい矯正方法が増えてきたことからデメリットの部分をカバーできストレスなく矯正治療ができるようになってきています。
それに、歯科矯正はデメリットをはるかに上回るメリットがありますので、歯並びで悩んでいる方はぜひ歯科矯正を考えてみましょう。
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