最終更新日: 2025-01-02
「リテーナーをしているのに後戻りしてしまった……」 というケースは、決して珍しくはありません。
しかし、そのままにしておくと再矯正が必要になるケースがあります。
そこで本記事では、後戻りの原因や対策について解説します。
実際にリテーナーしているのに後戻りをしていると感じている方も、これからリテーナーを装着する方も、本記事を参考に正しい使い方を覚え、後戻りを防いでください。
リテーナーをしているのに後戻りするケースは、決して少なくありません。
ですので、後戻りしてしまったことでの必要以上の心配は不要です。
中には 「矯正したのに後戻りしてしまったから医師に怒られてしまうのではないか?」 と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、医師からすればよくあるケースの一つです。
実際に、後戻りしている人がどの位いるのか、以下で紹介していきます。
実際に、リテーナーを装着していたにも関わらず、 後戻りを経験してしまった人の体験談 を見ていきましょう。どのような理由で後戻りが発生してしまうのかが見えてきます。
2週間ぶりにリテーナー付けたら歯にはまらんなっててわろてるwww後戻りし過ぎやろ
引用元:X
リテーナー 後戻りについて リテーナーを5日間ほどサボってしまい左の前歯が1mmほど前に出てしまいました(以下略)
引用元:Yahoo!知恵袋
上記のように、後戻りしている人の多くは毎日の装着を忘れてしまっていることが原因です。ですので、毎日しっかりとリテーナーを装着していれば、後戻りのリスクを軽減できます。
後戻りの原因の多くは、リテーナーの装着忘れです。一方で、 長年リテーナーをつけていても後戻りしてしまうリスクはゼロではありません。アメリカの矯正歯科による論文では、「後戻りの約半分は保定開始後の最初の2年間に発生し、保定後10年経っても後戻りのリスクがある」と記載があります。※
つまり、リテーナーをつけていても後戻りが発生するケースがあるのです。
ですので、後戻りすること自体は、誰にでも起こりうるリスクと言えます。
参考文献:Stability of orthodontic treatment outcome: Follow-up until 10 years postretention - ScienceDirect
リテーナーをしているのに後戻りしてしまう原因は、以下の5つが考えられます。
反対に言えば、上記のケースを避ければ後戻りのリスクを減らせます。
以下では、それぞれの原因で後戻りしてしまう理由について解説します。
リテーナーを装着していても、舌や口の癖によって後戻りが起きるケースがあります。 歯には常に舌や唇からの力が加わっており、とくにリテーナーを外している時間帯にその影響を受けやすい ためです。
たとえば、以下のような影響で後戻りしてしまいます。
このような場合はリテーナーの装着に加え、癖を意識的に改善する必要があります。
リテーナー装着時間が不十分な場合、後戻りしてしまう可能性が高くなります。とくに 治療後6か月までは歯周組織が不安定で後戻りしやすい時期 です。
保定期間には個人差がありますが、約1~3年間は継続的な装着が推奨されます。ですから、その期間内に装着時間を減らしてしまうと、後戻りする可能性が高いです。
医師に指示された装着時間と期間を守り、自己判断での中断は避けましょう。
リテーナー装着中でも、日常生活での無意識的な習慣により歯並びが変化してしまう場合があります。なぜなら、日常の習慣で顎や歯に圧力がかかるためです。
たとえば、以下の日常的な癖は後戻りの原因になります。
これらの習慣が歯並びへ影響を与えるので、矯正中は意識的に改善するようにしましょう。
リテーナーの変形や破損により、適切な装着をしていても後戻りが起こる場合があります。変形したリテーナーが本来の保定装置としての機能を果たせないことが原因 です。
変形や破損の主な原因には以下があります。
リテーナーを長く正しく使用するために、 専用ケースでの保管を心がけ、定期的に歯科医院でチェックを受ける ようにしましょう。
親知らずの生え方によっては、後戻りの原因になる場合があります。 横向きや斜めに生えてくる親知らずが、他の歯を圧迫する可能性がある ためです。
とくに矯正治療後に生えてきた親知らずは、前歯を押し出す力が加わり、出っ歯やガタつきの原因となる場合があります。親知らずが気になる場合は、一度クリニックで診てもらいましょう。
後戻りを防ぐためには、リテーナーの正しい装着が重要です。 基本的には、正しく決められた時間・期間の装着を心がければ後戻りのリスクは低いです。
以下で、後戻りを防ぐポイントについて解説しますので、必ず確認してください。また、後戻りしてしまった場合の対処法として、再矯正についても解説します。
リテーナーは、毎日の習慣として装着しましょう。継続的な装着によって歯並びを安定した状態に保てます。
どうしても装着できない場合、多少の後戻りが生じてしまうこともありますが、すぐにリテーナーの装着を再開すれば進行を防げます。ただし、装着時に痛みを感じたり、うまく装着できなかったりする場合は無理に装着せず、医師に相談してください。
リテーナーの適合状態は、定期的に確認しましょう。装着を怠ったり長期間使用していなかったりすると、歯並びが変化してリテーナーが合わなくなる可能性がある ためです。
たとえば、 以下のような症状は、後戻りが進行している証拠です。
上記のような場合は、リテーナーを調整したり作り直してもらったりしましょう。
大幅な後戻りが発生した場合、リテーナーの装着だけでは元の歯並びに戻すことはできません。 歯並びが大きく変化してしまうと、既存のリテーナーでは適切な矯正力が得られないためです。
このような場合は、部分矯正や全体矯正による再治療が必要 となります。無理にリテーナーを装着しようとせずに、再矯正をおこなってください。
後戻りがひどい場合や気になる場合は、再矯正をおすすめします。 あまりにも後戻りがひどい場合は、リテーナーだけでは元に戻らない ためです。
わかりやすい判断基準としては、リテーナーが装着できなくなった状態です。無理に装着して咀嚼などができない場合も、再矯正した方が良いと考えてください。
以下では、再矯正の費用について解説します。
再矯正の費用は、後戻りの程度によって大きく異なります。軽度の後戻りなら部分矯正で対応できますが、重度の場合は全体矯正が必要となるためです。
部分矯正と全体矯正の費用目安は、以下のとおりです。
ただしクリニックによっても費用は異なります。後戻り専用の再矯正プランを提供している場合もあるので、まずは一度クリニックに相談してみましょう。
リテーナーの後戻りについてのよくある質問を、以下に回答とあわせてまとめました。
など、疑問をお持ちの方は参考にしてください。
リテーナーを長期間装着しないと、再開時に痛みを感じることがあります。これは、装着していない期間に歯が少しずつ動いてしまい、リテーナーと現在の歯並びが合わなくなっている ためです。
このような状態で 無理に装着すると、歯や歯茎を傷つけて、痛みを感じます。 もし痛みを感じた場合は直ちに使用を中止し、歯科医師に相談してください。
リテーナー 1日18~20時間の装着が推奨 されます。食事と歯磨き以外の時間は装着しておくことが望ましいです。
半日から1日程度の未装着でも装着時に違和感を覚える場合があるので、できるだけ外さないでください。どうしても外さなければいけない場合は、イベント後、すぐに装着し、期間をあけないようにしましょう。
後戻りした歯並びにリテーナーを無理に装着しないでください。 歯や歯茎に過度な負担がかかり、痛みを引き起こす可能性があるためです。
違和感や痛みがある場合は、すぐに歯科医師に相談し、状況に応じてリテーナーの作り直しや再矯正を検討 しましょう。
特別な行事でリテーナーを一時的に外すことは致し方ありません。1日程度の未装着であれば、大きな影響を及ぼす可能性は低いです。
しかし、これは歯の状態や治療段階によって個人差があるため、必ず事前に歯科医師に相談し、許可を得てから判断してください。
リテーナーは、後戻りを防ぐための大切なものなので、役割を理解して正しく装着してください。
ただし、どうしても外さなければいけない場面もあるため、無理に装着を続ける必要はありません。
わずかな後戻りであれば、装着しなおせば戻るケースもあります。
しかし、リテーナーが装着できなかったり大きく後戻りした場合には、再矯正した方が良い可能性がある ので、一度医師にご相談ください。
ハーウェルは、あなたのお悩みに合わせてぴったりの医院を探して無料でご紹介します。LINE登録後、簡単な質問に答えるだけでコンシェルジュが医院をご紹介しますので、矯正でお悩みの方はお気軽にご登録ください。
ハーウェルの公式LINEはこちら