「矯正方法の違いって？」歯並びの悩みごとに原因と適した矯正方法を説明

日本人で一番多い歯並びの問題が「歯のガタガタ」です。

12~20歳の約44.3%が、この問題を抱えています。

八重歯もこのタイプに含まれます。

次に多いのが「出っ歯」です。

12~20歳の12.9%が「出っ歯」だと言われています。

3番目に多いのが、歯と歯のあいだにスキマがある「すきっ歯」です。

同じく12~20歳の12.4%が「すきっ歯」だという調査があります。

割合は低いですが、「受け口」で困っている人もいます。

これは下あごの前歯が上あごよりも前に来てしまう症状のことです。

いま挙げた以外に、

• 前歯がかめない(開咬(かいこう))
• 奥歯で噛むと下前歯が見えない状態(ディープバイト/過蓋咬合)
• 笑ったときに上の歯茎が見えてしまう(ガミースマイル)

などの症状があります。

歯のガタガタは主に、歯の大きさに比べてアゴが小さいことで生じます。

歯を並べるスペースが足りず、歯が並びきらずにガタガタになることが多いです。

はい。

歯のスペースが足りないので、どんな装置を使う場合も、まずはスペースを作り出す必要があります。

具体的には

• 歯並びのアーチを少し外側に広げる
• 歯の側面を少しだけ削る(0.1~0.5mm程度)
• 一部の歯を抜く

といった方法があります。

そうですね。

歯科医師もできれば抜きたく無いのですが、ガタガタがひどい場合は抜かなければいけない場合もあります。

歯を抜かずにすむ軽〜中度の場合は、マウスピース矯正とワイヤー矯正の両方が利用できます。

• 費用は20~50万円
• 期間は3~12ヶ月

ほどかと思います。

歯を抜く必要があるような中〜重度の場合は、ワイヤー矯正のほうが適していることが多いです。

• 費用は70~90万円
  (裏側ワイヤーなら100~120万円)
• 期間は1.5~2.5年

ほどかかることが多いです。

出っ歯も、歯のガタガタと原因はだいたい同じです。

もともと上あごの骨が大きい場合や、奥歯の位置関係に問題がある場合もあります。

前歯の出っ張りを改善するため、歯を抜く必要性が生じるケースが多いです。

はい。

必ずではありませんが、歯を抜く必要があるのに、抜かずに無理やり治療すると、問題が生じやすいです。

具体的には、すぐに後戻りしたり、かみ合わせが悪くなり歯に負担をかける恐れがあります。

抜歯をしなくて良い場合、マウスピース矯正、ワイヤー矯正の両方が使えます。

抜歯する必要がある場合、ワイヤー矯正が適していることが多いです。

これもガタガタの場合と同じで、

• 軽〜中度: 10~50万円、3〜9ヶ月
• 中~重度: 70〜90万円、1.5〜2.5年
  (裏側ワイヤーなら100~120万円)。

くらいです。

すきっ歯は、

• 生まれつき歯の数が足りない場合、
• 指しゃぶりや、舌を押し出す癖がある場合

等に生じることがあります。

すきっ歯には色々な治療法があります。

• ワイヤー矯正
• マウスピース矯正
• ダイレクトボンディング
  (ペースト状のもので歯を大きくする)
• ラミネートベニア
  (付け爪的なもので歯を大きくする)

です。

それぞれ、治療の有効期間や費用が違うので、歯科医師に相談してみてください。

よくある、前歯の間が空いてしまっているだけの症例であれば、どの治療法でも10〜30万円ほどです。

期間は、

• ダイレクトボンディング: 1日~2週間
• ラミネートベニア: 1日~2週間
• 矯正: 3~6ヶ月

程かかります。

その２つの方法は、歯に付属物をつけているだけなので早いんです。

ただし、根本的な解決にはなっておらず、治療効果も3~10年ほどしか続きません。

単純なすきっ歯以外にも、歯のねじれやガタガタなどの問題がある場合には、ワイヤーかマウスピース矯正が良いでしょう。

その場合は歯並びの悪さに応じて、料金も高くなります。

• 軽~中度なら10~50万円
• 重度なら70~120万円

程です。

受け口は、下の前歯が上の前歯よりも外側に出ている症状を指します。

受け口は、

• ①歯の生え方や位置に問題がある
• ②骨格に問題がある

場合の二種類が存在します。

①(生え方の問題)の場合であれば通常の矯正で良くなります。

②(骨格の問題)の場合は、外科手術をしないと根本的な解決にはなりません。

はい、その場合は基本的には入院が必要です。

ただし、外科手術をする場合は保険適用になるので、比較的安めになることもあります。

受け口は歯並びに中〜重度の問題を抱えていることが多いので、ほとんどのケースで抜歯が必要になります。

そのため、マウスピース矯正よりは表・裏側ワイヤーをオススメされることが多いでしょう。

①の矯正の場合、

• 軽度: 20~50万円
  (裏側ワイヤーは40~60万円)
• 中〜重度: 70~90万円
  （裏側ワイヤーは100~120万円）

が目安です。

歯並びやかみ合わせの問題の中には、今まで説明したもの以外でも

• 開咬(かいこう、前歯が噛み合わずに開いたままになる)
• 過蓋咬合(かがいこうごう、噛んだときに上の前歯が下の前歯を覆ってしまう)
• ガミースマイル(笑ったときに歯ぐきが見えてしまう)

といった症状があります。

これらは多くの場合、ワイヤーやマウスピースなどの歯科矯正で改善します。

ただし、かみ合わせ全体に関わる問題なので全体矯正になることが殆どです。

また、ガミースマイルは、原因によっては外科手術が必要なケースもあります。

全体矯正なので、

• 費用: 70~90万円
  (裏側矯正なら100~120万円)
• 期間: 1.5年〜2.5年

ほどです。

矯正で信頼できる歯医者さんを探して、相談にいってみるといいでしょう。

自分で探すのが難しい場合は、ハーウェルさんなどの矯正医院探しサービスを使えば良いと思います。

実際に相談に行ってみると、レントゲンなどの検査をしてくれる医院は3,000~5,000円ほどかかるところが多いです。

相談だけなら無料の医院も多くあります。

「矯正相談です」と伝えていただき、困っていることをお話ください。

あとは歯科医師が質問しながらカウンセリングしてくれますよ。

そうですよね。そのため、矯正料金は分割払いをできる医院が多いです。

分割払いの方法によっても違います。

具体的には以下の3パターンがあります。

• 医院独自の分割払い
• 歯科専用のデンタルローン

• 一般のクレジットカードローン

医院独自の分割払い、医院がお金を立て替えてくれるもので無利子であることが多いです。

矯正期間中に分割して払うので、無利子で3~24分割くらいのケースが一般的です。

はい、ただし医院独自の分割払いはやっている医院が限られています。

80万円の治療を24回分割すると、月々3万3千円程です。

殆どの歯科医院で、歯科治療にのみ適用できるデンタルローンという仕組みを利用しています。

一般のクレジットカードローンより利率が低いので、こちらを利用される方が多いです。

はい、こちらは利率3.8%~9%くらいになることが多く、分割は最大で120分割(10年)できる場合もあります。

仮に80万円の治療を120回分割すると、月々8,000円ほどです。(利率3.8%で計算)

なんらかの理由でデンタルローンが使えない場合は、通常のクレジットカードローンになります。

分割回数や利率は加入しているカード会社によって異なります。

まず、永久歯が完全に生え揃っているかどうかで分けて考える必要があります。

おおむね12歳くらいで永久歯が完全に生え揃いますが、その後は大人の矯正と同じ考え方で良いです。

あごの骨が成長中のお子様には、それに合わせた治療方法があります。

大体6歳くらいで、歯がガタガタしていたり出っ歯の場合は、歯科医師に相談してみてください。

必要であれば、あごを大きくするための装置などもあります。

3歳以降で、明らかに上あごや下あごが前にでている場合は歯科医師に相談してみてください。

必要に応じて、舌の運動を適正化する装置や、あごの発達を調整する装置をつけたりします。

はい、特にあごの発達には早期に介入できたほうが良いので、3歳以降で気になる場合は早めに歯科医院を受診なさってください。

乳歯の段階ですきっ歯なのは問題ありません。

永久歯が生えてきたタイミングでもすきっ歯であれば、歯科医師に相談してみてください。

すきっ歯にも様々な原因があるので、その原因に応じて治療方法は異なります。

何であれ、お子さんの歯並びやあごで気になることが出てきたら早めに歯科医師に相談してみてください。

成長するのを待ってから治療した方がいいケースもありますが、アゴに関係する問題は早めに治療したほうが良いことが多いです。