矯正の副作用とリスクについて
矯正全般のリスク
口内の傷 / 痛み
- 矯正治療中に矯正装置が触れることで、頬の内側が傷ついたり、口内炎になったりする場合があります。その際には、ワックスなどで対処できますので、歯科医師にご相談ください。
- 矯正治療中に歯の移動に伴って、痛みが生じる場合があります。特に矯正開始直後や、装置を調整したり付け替えたりした後は生じやすいです。冷たいものを飲んだときにしみる知覚過敏が生じる可能性もあります。必要に応じて医院で痛み止めなどを処方してもらってください。
発音
- 矯正装置の装着中は、発音がしづらくなる場合があります。個人差もありますが、多くの場合は数週間から数ヶ月で慣れることが殆どです。
抜歯 / 麻酔
- 矯正したい場所に十分なスペースがない場合は、歯を抜いたり一部分を削ったりする場合があります。その際には、できるだけかみ合わせに影響がないように考慮した上で、健康な歯を抜く可能性もあります。詳細は担当する歯科医師と十分に相談して行ってください。
- 抜歯をする際には麻酔注射を行います。麻酔の成分の中には、心拍数や血圧を上昇させる作用があるものがあり、心臓や血圧に問題がある場合は動悸や血圧上昇を起こす可能性があります。また、麻酔時には口内を噛んでもわからない、熱いものや冷たいものを感じにくい、といったことが原因で口内を傷つける場合があります。また人によっては、麻酔によって悪心、嘔吐、アレルギー反応が起こることもあります。
金属アレルギー
- 矯正装置には様々な金属が使われるため、人によってはアレルギーが生じる可能性があります。不安な方は皮膚科で行えるパッチテストを使ってアレルギーを特定できます。アレルギーがある方は事前に歯科医師に伝えて相談してください。
- もし矯正開始後に、皮膚や口内の粘膜にアレルギー症状が出た場合にはすぐに歯科医師に相談するようにしてください。
虫歯 / 歯周病
- 矯正中は虫歯や歯周病の治療を行えないために、矯正開始前に治療を行う必要があります。
- 矯正中は、虫歯や歯周病になったり悪化したりするリスクが高まります。矯正中に適したブラッシングやケア方法の指導を歯科医師から受けて、歯を清潔に保ってリスクを抑えましょう。定期的に歯科医院でクリーニングやフッ素塗布といったケアを受けることも有効です。
後戻り
- 矯正終了後に矯正箇所が元に戻る場合があります。歯科医師の指示に従ってリテーナ(保定装置)を装着して後戻りのリスクを減らすようにしましょう。
その他
- 歯や骨の状態、かみ合わせの状態、歯の動きを妨げる癖、虫歯や歯周病の発生などがあった場合には、治療計画よりも治療期間が長くなってしまう可能性があります。
- 患者様が取外し可能な矯正装置の着用時間を守っていなかったり、歯科医師が指定した頻度で通院を行わなかったりした場合は、治療期間が伸びる可能性があります。
- ごくまれにですが、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります
- 治療期間や痛み、感じるストレスには個人差があります。
- 虫歯や歯周病が発生した場合、矯正装置を取り外すなどして一旦矯正を中断して治療をする必要がある場合があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 矯正装置が壊れる場合があります。その際は歯科医師に相談してください。
- 固いものが一時的に噛めなくる場合があります。お餅など装置に引っかかるものを制限する必要がある場合もあります。
- 矯正中には、口を開ける際に痛みが出たり、頭痛が生じる可能性があります。その際には歯科医師に相談してください。
- 矯正中には、頭痛や肩こり、倦怠感や吐き気、不眠などの不定愁訴が起こる場合があります。その際には、歯科医師と相談して症状を抑える薬を処方してもらってください。
- 矯正力が強すぎると、歯の根が短くなる「歯根吸収」が生じるリスクが高くなります。
- 矯正治療では、歯肉退縮と呼ばれる歯肉が下がる症状がでる場合があります。特に歯の凸凹が大きい患者様の場合や前歯において、発症するリスクが高まります。
- 矯正終了後、数ヶ月から数年後にかみ合わせが悪化する可能性があります。かみ合わせが悪くなると頭痛や肩こり、咀嚼障害、顎関節症などが生じる可能性があります。かみ合わせが悪くなった場合には歯科医院を受診してください。
ワイヤー矯正(表側)のリスク
矯正全般のリスクと合わせてご確認ください。
外見
- 歯の表側に装置をつけるために、目立ちやすく矯正をしていることが見た目からもわかります。
ワイヤー矯正(裏側)のリスク
矯正全般のリスクと合わせてご確認ください。
発音
- 矯正中、発音がしづらくなる場合があります。個人差はありますが、殆どの場合は練習することで数週間から数ヶ月で改善します。
- 特に舌を歯の裏側にあてて発音する言葉は、発音が不明瞭になりがちです。
舌の違和感 / 痛み
- 裏側矯正では常に舌が装置に触れているので、違和感を感じたり舌にあとがついたりすることがあります。個人差はありますが、数週間で違和感が薄れる場合が多いです。
- 口内で舌が収まるスペースが、矯正装置によって狭く感じる場合があります。こちらも違和感は数週間で薄れることが多いです。
- 裏側矯正では、舌が治療装置のワイヤーや突起部にに引っかかる可能性があり、その際に舌を傷つけてしまう可能性があります。
マウスピース矯正のリスク
矯正全般のリスクと合わせてご確認ください。
適用ケース
- 抜歯をともなう場合、奥歯のかみ合わせの調整をする場合、そのほか歯の大きな移動が必要な場合はマウスピースでは不向きであったり、適用できない可能性があります。
装着時間
- マウスピースは自分で外すことができるため、つい外してしまい歯科医師から言われた装着時間を守れないと治療期間が伸びたり、治療がうまく行かない可能性があります。
マウスピースの損傷
- 強い歯ぎしりや食いしばりの癖があると、マウスピース自体が割れてしまう可能性があります。その際は歯科医師に相談してください。
監修
鶴見駅前ゼータ歯科・矯正歯科 院長 小林大