素材_ビックリしている女性

格安矯正の広告を信じる前に! 格安矯正の”実体”と費用を抑える方法

歯科医師_南先生_顔

みずほ台駅ナカ歯科・矯正歯科
鶴瀬駅前歯科・矯正歯科院長
南 博輝 先生 監修

最終更新日: 2021-11-24

矯正治療は高額な治療のためできれば費用は抑えたいもの。

格安で矯正治療を提供する歯科医院も増えていますが、本当に安く受けられるのか、きちんと歯が並ぶのか不安になる方も多いでしょう。ここでは格安矯正と矯正治療を抑える方法について紹介します

素材_矯正治療の説明

矯正治療は一部の例外をのぞいて保険が使えないので、100万円前後と高額になりがちです。

「数万円から矯正治療が受けられる」など格安の矯正治療をアピールする歯科医院も増えてきています。

しかし、このような格安矯正を使った結果、費用や治療結果でトラブルに遭遇した方も少なくありません。

そこでこの記事では、格安矯正の実体矯正費用をできるだけ安心して安く抑える方法を紹介します。

歯の矯正は基本的には高額になる

素材_節約

矯正治療は原則としては保険適用外のため、高額になりがちです。

保険適用外になる主な理由は、見た目を整える審美目的が含まれているためです。

※顎変形症(がくへんけいしょう)など外科的処置を必要とする症例の場合には、保険適用となるので厚生労働省が定めた医療機関であれば保険診療を受けることができます。

歯の矯正費用の目安

矯正治療に必要な費用を見てみましょう。

以下は全体矯正(お口全体の矯正)の費用を表にしたものです。

装置の種類 目安の費用
表側矯正  金属製の装置 70万~120万円
白い装置  80万~135万円
裏側矯正 上下とも裏側 120万~150万円
上だけ裏側(下は表側) 100万~120万円
マウスピース矯正 インビザライン以外 65万~80万円
インビザライン 80万円〜110万円
矯正用インプラント 一部の症例で使用する装置 + 1万~5万円

※ これらの費用はあくまでも目安となり、症例・地域差・歯科医院によって異なります。

表側矯正

素材_ワイヤー矯正装置を装着している女性

表側矯正とは歯の表面にブラケットと呼ばれる装置にワイヤーを通して行う方法です。

一般的に行われている矯正治療のためご存知の方も多いでしょう。

表側矯正のブラケットには種類があり、金属のものとセラミックやプラスチックでできたものがあります。

前者は装置の厚みが薄いため違和感は少なく、安価で行うことができる一方で、金属色のため装置が目立つというデメリットがあります。

素材_ホワイトブラケットを使ったワイヤー矯正

後者は装置が白い素材で作られており目立たずに行うことができますが、装置の厚みが出てしまい費用も高額になるデメリットがあります。

ワイヤーの種類にも金属製のものと白いものがあり、白いワイヤーは金属製よりも高くなることが多いです。

裏側矯正

素材_装着しても殆ど見えない裏側矯正

歯の裏側に装置を装着して歯を動かす治療方法です。歯を動かす仕組みは表側矯正と同様になります。

ただ歯の裏側に装置を装着するには特別な技術が必要になることや、装置が既存のものではなく、オーダーメイドのものを使用することもあるため費用は高額になりがちです。

マウスピース矯正

素材_マウスピース矯正装置をつける人

マウスピース矯正とは専用のマウスピースを1日20時間以上装着し、約1~2週間に1回新しいマウスピースに交換しながら少しずつ歯を動かしていく矯正方法です。

矯正用インプラント

矯正用インプラントとは一部の症例で使用する小さなチタン製のネジのことです。

歯を支えている骨に埋め込み、歯を動かすときの固定源として使用します。

主に出っ歯や開咬で用いられ、追加で費用がかかります。

その他にかかる矯正費用の目安

素材_お金の計算をしてOKポーズをする女性

なお矯正には以下の費用がかかることがあります。

費目 目安の費用
カウンセリング料  無料~5千円
診査・診断料 1万円~6万円 
調整料 3千円~1万円
保定装置料 無料~6万円 
クリーニング料(1回あたり) 3千円~2万円 

これらは矯正費用に含まれている医院もあれば、別途で費用がかかる医院もあるため事前に確認しておくと良いでしょう。

こちらもそれぞれ詳しく見ていきましょう。

カウンセリング料

素材_患者に説明する歯科医師

カウンセリングは矯正治療の方法や種類、おおよその費用など説明・相談をする場です。

歯科医院によって無料でカウンセリングを受けられることもあれば、5千円ほどかかる歯科医院もあります。

診査・診断料

素材_スキャナを使った矯正の説明

診査・診断では矯正治療を始める前に、お口や歯並びの状態をチェック・診断します。

具体的には、レントゲン撮影・歯の型取り等を行い、歯並びの状態とむし歯・歯周病のチェックをしたり、適した治療方法の診断を行ったりします。

この費用は別途必要になることが多いです。

調整料

素材_マウスピース矯正とワイヤー矯正を比べる女性_1

調整料とはワイヤー交換やマウスピースの型取りなどにかかる費用です。

矯正方法によって通院頻度は異なりますがワイヤー矯正では月1回マウスピース矯正では2ヶ月に1回程度かかることが多いです。

保定装置料

素材_プレートタイプリテーナー

矯正が終了したら「保定装置」と呼ばれている後戻りを防ぐ装置をつけて過ごします。

保定装置は矯正終了後に必ず装着する必要があり、追加で費用が必要になることが多いです。

なお保定装置にはさまざまな種類があり、歯科医院によって費用も異なります。

クリーニング料

矯正前や矯正中、矯正後には歯のクリーニングを行うこともあり、都度費用がかかることが多いです。

ただ歯科医院によって保険適用となることもあれば、保険外適用になることもあります。後者の場合はクリーニングの内容や時間によって費用が異なるため事前に確認しておくと良いでしょう。

矯正が高額になる理由

素材_疑問点がある女性

そもそもなぜ矯正治療が高額になるのでしょうか。理由には以下のようなことが挙げられます。

  • 保険が適用されない
  • 材料が高価である
  • 技術料がかかる

それぞれ詳しく解説します。

保険が適用されない

素材_考え込む女性

矯正治療では保険が適用されない自由診療となります。

これは矯正治療では病気を治す治療ではなく、歯並びといった見た目を改善する審美目的が含まれている治療だからです。

材料が高価である

素材_考え事をする女性

矯正治療で使用する材料には、精密かつ一人ひとりに合わせて作られているため高額になりがちです。

特に裏側矯正では既製のブラケットでは装着が困難にな場合に、オーダーメイドのブラケットを作製することもあり、その場合は高額になることが多いです。

技術料がかかる

素材_説明

歯科医師国家資格に合格した者であれば矯正治療を行うことはできますが、専門の知識と経験が必要となります。

そのため矯正治療は専門家の施術を受けるため費用は高額になりがちです。

格安告知のカラクリ

素材_悩んでいる女性

近年ではInstagramやTwitterなどの広告で格安矯正を歌う歯科医院もあります。

しかしこれらの歯科医院の中にはお試し価格であるにもかかわらず、その金額で矯正治療を受けられると勘違いをしてしまうこともあり、トラブルに発展してしまうことも少なくありません。

このような格安告知に引っかからないためにも格安告知のカラクリを詳しく見ていきましょう

1回あたりの値段だから

素材_頬に手をあてて驚いている女性

マウスピース矯正の格安告知では「○万円からの矯正」など破格な費用で矯正ができると謳っているものがあります。

これはマウスピース矯正の一回目がおためし価格で行えるのであり、合計ではありません。歯並びの状態によって別の装置が必要であり、診査・診断料は別途でかかる場合もあります。

なお矯正が1回(マウスピース1セット)で終わることは殆どありません

部分矯正を前提にしている

素材_患者に説明する衛生士

「前歯だけ」「一部の歯並びだけ」の治療をする部分矯正は、歯並び全体の改善をする全体矯正よりも難易度が低く期間が短いことが多いので、費用を抑えられます

全額矯正の65万~150万円という費用に比べて、部分矯正は25万~50万円ほどの場合が多いです。

ただし、部分矯正は全体のかみ合わせの調整はできませんし、歯並びの問題の程度が大きい場合は適用できないことも多いです。

格安矯正では部分矯正を前提としていることが殆どで、その矯正費用の最低価格を告知に大きく掲載することで安く見せている場合があります。

分割払いを前提にしている

素材_お金の計算をしてOKポーズをする女性

「月々○円から」と謳っている告知では分割払いを前提にしていることがあります。

矯正治療では最低でも1年〜2年半かかることが多く、その期間で治療が終わっても支払いは続くため合計すると相場と変わらないこともありまsす。

歯の矯正費用を少しでも安くするためにやるべきこと

素材_OKサインを出す女性

ここでは高額な歯の矯正費用を安くするためにやるべきことを5つ紹介します。

①比較的安い治療費の医院を選ぶ

素材_歯科医院の診療台

矯正費用は歯科医院によって異なるため安い歯科医院を選ぶことです。

例えば地域によっても差が生じるため、都心部よりも離れた所であれば費用が抑えられる可能性もあります。

また矯正費用の内訳に調整料が含まれている歯科医院であれば通院時にかかる費用を抑えることも可能です。

②安い装置を選ぶ

素材_マウスピース矯正とワイヤー矯正を比べる女性_2

ワイヤー矯正では見た目は目立ちますが、金属の装置を選ぶと良いでしょう。

金属の装置では約70万~120万円白い装置では約80万~135万円と費用の差は大きいと言えます。

なお上の前歯の見えるところだけを白いブラケットにし、目立たないところは金属のブラケットにすることもできるため、装着する前に歯科医師とよく相談してから決めると良いでしょう。

③部分矯正を選択する

素材_歯_女性

奥歯は正常に噛んでいて前歯だけ気になっている場合は、部分矯正を選択するのも良いでしょう。

ただ症例によって不適切な場合もあるので、歯科医師としっかり相談して決めましょう。

心配な場合は、複数の医院で意見を聞いてみると良いでしょう。

④医療控除・高額療養費制度を利用する

素材_笑顔_女性

医療費控除とは年間に10万円以上かかった医療費に対して、納めた税金の一部還付を受けることができる制度です。

医療費控除は審美目的ではなく、悪い歯並びによって噛み合わせに問題があると歯科医師が診断した場合に適用されます。

ただし、ほとんどの症例で適用されるため、矯正治療の際にはぜひ活用したい制度の一つです。

高額療養費制度は医療費の負担が高額になった場合、その負担額を軽減する制度です。保険診療の場合にのみ適用される制度となります。

医療費控除について詳しく解説した記事はこちら

⑤保険適用かどうか確認する

素材_考える

矯正治療でも保険適用になる症例があります。

例えば顎変形症(がくへんけいしょう)や、6歯以上の先天性無歯症など厚生労働省が定める59の疾患に該当し、定められた歯科医院で治療を受けることで保険適用となります。自由診療と異なり、安く矯正治療を受けることが可能です。

ご自身の歯並びが保険適用かどうかは歯科医師に相談してみると良いでしょう。

まとめ

素材_OKポーズをしている女性

矯正治療は保険が適用しないため高額な治療になりますが、これは理由があってのことです。

格安矯正では安く見せるカラクリがあり、掲載されている価格と実際の値段は一致しないことも多いです。

そのため費用や治療結果でトラブルに遭った方も少なくありません。

安易に価格だけで選ばず、ご自身が納得できるところを比較検討して選ぶことが大切です。

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監修した先生からのコメント

歯科医師_南先生_顔

みずほ台駅ナカ歯科・矯正歯科
鶴瀬駅前歯科・矯正歯科
院長 南先生

矯正の費用はお口の状況による部分も大きいので、HPではわかりにくいことが多いです。

矯正は一生モノなので、価格だけで選ぶのではなく、信頼できる先生によく相談して選ばれることをおすすめします。